クリック関節の制作、PLAでもあきらめない。
今回はクリック関節を作ります。
クリック関節は可動部がカチカチと鳴るやつです。
止めたところでロックされるので保持力があります。
肩や股関節などのしっかり保持したい関節に使います。
3Dプリンターでロボットを作るようになってからずっと関節に悩んできました。
磁石を使ったりシリコンチューブを軸にしたりといろいろ試しました。
そのことごとくが失敗に終わりました。
失敗というのは保持力が弱くぷらぷらになる状態のことです。
最近になってようやく安定した保持力の関節を作れるようになりました。
ですがそれも使いどころが限られます。特に足回りの関節には心もとないです。
そこでクリック関節を試してみようと思いました。
今までの関節は軸と軸穴との摩擦力で保持する仕組みでした。
なのでできるだけ摩擦力が強くなるように軸と軸穴を調整する必要がありました。
しかしどんなにうまく調整しても時間とともに劣化していきます。
摩擦によって軸穴が削れて保持力が弱くなるのです。
例えば最新作の飛行型03のこのポーズですが、今はもうできなくなりました。
出来立てのころの保持力はもうありません。
股関節は使用頻度が高く劣化も早いです。
PLAフィラメントで作っているのも劣化の原因の一つです。
弾力のある素材ならもう少し粘りのある関節になっていたと思います。
PLA以外を使わないと決めたわけではないですが、使っていません。
実は使おうと思っていたところ、クリック関節の可能性に気付きました。
PLAでできるならそれに越したことはないでしょう。
ということで前置きが長くなってしまいました。
ここからはクリック関節を作っていきます。
モデリングはこんな感じです。
下のパーツには穴が開いています。
ではプリントします。軸には3mmのプラ棒を使います。
クリック部分の保持力が知りたいので、パーツ同士の摩擦が無いよう調整しています。
画像の上にあるのは結束バンドです。これをカットして使います。
この結束バンドこそが今回のキモです。
パーツに挿し込みます。
上にちょろっとはみ出るように調整します。
パーツを軸で接続します。
これで完成です。
溝のあるパーツが回転すると、カットした結束バンドがグニッと曲がり次の溝にはまります。
結束バンドの柔軟性と強度を利用しました。
どんな具合かは静止画ではわからないので動画を撮りました。
45度間隔でクリックするように設計しました。
なかなかの固さです。パーツが小さいというのもありますが。
これなら結構な重さのパーツも保持できると思います。
さらに今までのような摩擦による劣化は感じません。
これは成功でいいんじゃないでしょうか。大成功ですよ。
サイズを小さくできたので使いかっても良さそうです。
次回のロボに採用したいと思います。
ということで理想の関節を求める旅もとうとう終わりになるのでしょうか・・・
そんな簡単にはいかないでしょうね。きっと何か落とし穴がある気がします。
今回はここまでです。ではまた。
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